接客を教える立場の心構え
接客というのは、馴れ馴れしくても困りますし、やたらと行儀正しくてもお客さまとの親近感が得られずセールスがうまくいかないことがあります。
そういった接客の機微を指導する立場になった場合、指導をする相手のことも理解していなければ、上手に伝えるのは難しくなってしまうでしょう。
最近の「ゆとり世代」「さとり世代」「つくし世代」などと呼ばれる若者は、これまで日本で育まれてきた、年功序列のビジネスシーンには当てはまらない合理的な考えを持っている人がたくさんいます。
ですから、若い世代に接客を教える場合には「昔からこうするのが決まりだから」といったやり方では納得してもらえないケースが増えています。
若い世代に接客を教える際には、彼らの感情やニーズを理解し、サポートしてあげようという体勢が大切です。
柔軟性を持って、彼らが快適に学べる環境を提供しましょう。
教わる側が新しいスキルや知識を習得する過程は時間がかかることがありますので、彼らのペースに合わせ、忍耐強く支援する心構えが必要です。
定期的なフィードバックを通じて、若い世代の成長を促進し、建設的な指摘と具体的なアドバイスを与えることも大切です。
教える立場として、常に業界の最新情報やトレンドを自分でも学び、自己向上を図ることも忘れてはいけません。
最良の教育を提供するためには、自己研鑽が必要です。
接客を教えるコツ
接客を教える第一のポイントは、上から目線を避けることです。
権限を振りかざした態度で教えていると、ハラスメントと受け取られる危険も考えられます。
あくまでも相手の成長をサポートするという姿勢を崩さずに、忍耐強く指導を続けていくことが大切です。
ビジネスマナーは当然のことだと考えている世代と違い、若手は「なぜビジネスマナーが必要なのか」を根本から説明しないと、本腰を入れて学んでくれません。
日本社会では昔から、相手の気持ちを察するのが美徳とされてきましたが、最近の新しい世代の若者は、言葉で明確に理論的に伝えないと理解してくれません。
お客さまに対しては、常に相手を立てるように心がけ、絶対に恥をかかせてはいけないというルールを徹底させましょう。
お客さまがどんなに間違っていても、指摘しないことを理解させることも重要です。
接客では横文字を使わない、早口では対応しないなどといった基本的なことも、徹底して理解するような指導が大切です。
特に新人と呼べる若い人は、接客の経験がないケースも往々にしてあります。
接客を教える際にはまず若者の性質をよく研究することも大切でしょう。
逆に、若い世代がシニア世代の接客をする必要がある場合には、二世代間では物の考え方がまったく違うのだということを理解させた上での指導がポイントになってきます。